七か所まいり
四国には、四国遍路という巡礼があります。
「空海」さんゆかりの八十八のお寺を巡るもので、歩くと総距離1,200km
およそ40日あまりの過酷な旅です。
近年ではスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(世界遺産)を歩いた欧米の人達や、
台湾を中心にアジアの人達も、四国遍路に挑戦する人が増えてきました。
ただ誰にでも簡単に挑戦できるようなものではありませんし、
ましてや休みの短い日本人にはとてもハードルが高いですよね。
そこで!善通寺には「七か所まいり」というお遍路の方法があります。
江戸時代から「足よはき人は 此印七り七ヶ所をめぐれば四国巡拝にじゅんずといふ」とこの
「七か所まいり」が勧められていました。
つまり八十八か所全部を巡る事が困難な人は空海さんの生まれた善通寺を中心に
71番から77番の7か寺を巡ることで
四国八十八ヶ所を廻ったのと同じ御利益があるとされているのです。
またこの7ヶ寺には、ご本尊とともに私たちを守ってくれる七福神もお祀りされていて
7つの福を授かると同時に、七色のカラフルな御朱印が頂けます。
せっかく四国に来たらぜひ、ほんの少しだけでも、プチお遍路にチャレンジしてみませんか!
弥谷寺
(いやだにじ)
【大黒天(だいこくてん) 】
深い木立の参道と岩肌に建立されたお寺は、スピリチュアルな雰囲気に満ち満ちています。お寺のある「弥谷山」は古来より日本三大霊場(恐山・臼杵磨崖仏・弥谷山)の一つに数えられていました。また水場の洞窟は神仏の世界(弥山)への入口として強く信仰されており、修行僧により刻まれた磨崖仏や修行の洞窟が今も山内にまつられています。このお寺から七か所まいりのスタートです。
曼荼羅寺
(まんだらじ)
【福禄寿(ふくろくじゅ) 】
四国霊場で最も古い596年に創建されたお寺です。お参りの後は、空海さんが植えたとされる樹齢1200年の「不老松」で作られた、「笠松大師」に長寿のお願いしてはいかがでしょう。また、境内には、平安時代の歌僧・西行法師がこの寺に通っては昼寝をしていたという「西行の昼寝石」というおもしろい石もあります。
出釋迦寺
(しゅっしゃかじ)
【恵比寿(えびす) 】
小高い地に建てられたお寺。山門からは七ケ所参りのルートがおおまかに一望でき、遠くには瀬戸内海や瀬戸大橋も見渡せます。真下にある空海像のたもとの展望所で、空海さんと共に景色を眺めながらのむコーヒーは最高です。余力のある方はさらに劇坂、岩場を登って、空海さんが身を投げたといわれる奥の院「捨身ヶ嶽禅定(しゃしんがたけぜんじょう)」にもチャレンジしてみてください。
甲山寺
(こうやまじ)
【毘沙門天(びしゃもんてん) 】
空海さんが幼少時代によく遊んだといわれる地に、ご自身が壮年期になって建立したお寺。ご本尊ゆかりの「うさぎ」の石像やうさぎの乗った瓦があちらこちらに。全部で16羽いるうさぎを探してみて下さい。うさぎの御朱印も頂けます。自分で願い事を書いて入れるかわいいお守り「そわか守」を頂いて、願い事を叶えましょう。
善通寺
(ぜんつうじ)
【布袋尊(ほていそん) 】
言わずと知れた空海さんのご生誕地。お父さんのお名前からつけられた善通寺は、今は市の名前にもなっています。広大な伽藍や立派な五重塔はさすが総本山。おすすめは御影堂の地下の回廊をめぐる戒壇めぐり。暗闇の中からお大師様のお声を聴くことができます。早起きして荘厳な朝のお勤めに参加することもできます。
金倉寺
(こんぞうじ)
【弁財天(べんざいてん) 】
空海の姪の子でもある智証大師(円珍)さんご誕生処。 女神像、訶利帝母(かりていも)さまは「おかるてんさん」とよばれ地元の人たちに親しまれています。子授けや安産、また子供や女性の守り神さまとして古くから信仰されてきました。女性にぜひ訪れてほしいお寺です。
道隆寺
(どうりゅうじ)
【寿老人 (じゅろうじん) 】
境内には西国・坂東・秩父など各地の観音霊場ゆかりのものや、交通安全、水子供養など255体もの観音様がずらりと祀られています。また本堂の裏手には「目なおし薬師」が祀られ、「め」の文字を年の数だけ書いて納めると目の病気にご利益があるといわれています。